【解決事例5】 「祖父の借金を放棄する…代襲相続人による相続放棄」
【解決事例5】相続関係図
1. ご相談内容
祖父の相続について相談したいと、孫のAさんが来所されました。Aさんは父を早くに亡くし、先日父方の祖父が亡くなったそうです。祖父には借金があったようですが、当初は自分には関係が無いものと考えていたようです。
しかし、祖父の債権者からAさんに督促状が届いたことで、自身が借金を返済しなければならないのか、債権者にはどのように対応すれば良いか分からず、弊社に相談に来られました。
2. Aさんの状況と弊社のアドバイス
人が死亡したとき、相続人は原則として財産と債務の全てを引き継がなくてはなりません。誰が相続人になるかは、民法という法律で定められています(相続人については、「相続放棄前に必ず確認!相続人には誰がなるの?」をご確認ください。)。今回、Aさんは祖父の「子」ではありませんが、子であるAさんの父が先に死亡していることで、孫のAさんが相続人(「代襲相続人」と言います)となります。
相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から「3ヶ月以内」であれば、家庭裁判所に相続放棄を申立てることができます。相続放棄をすることにより、「はじめから相続人でなかったもの」とみなされることになりますので借金などの負債から免れることができます。Aさんには、祖父に大きな財産が無く、借金の督促が来ている状況から、速やかに相続放棄を申立てることをおすすめしました。
また、祖父の債権者への対応については、返済などは一切行わないことと、相続放棄が受理された後に債権者へ「相続放棄申述受理証明書」を提出することをアドバイスしました。相続放棄を検討している場合、不用意に返済するのは危険です。相続放棄の完了後、家庭裁判所で「相続放棄申述受理証明書」という証明書を発行してもらえますから、これを債権者に提出することで、返済する義務が無いことを証明できます。
3. 解決のポイント
相続の問題は、必ずしも親子や夫婦の範囲に留まるものではありません。相続放棄も例外ではなく、今回のケースのように孫が相続人として相続放棄を申し立てなければならないケースもあります。
また、借金を放棄するようなケースでは、たとえ一部でも債権者へ返済をしてしまうと、相続を承認したもの(「単純承認」と言います)として、相続放棄が認められなくなる可能性があるので注意が必要です。
相続放棄には期限がありますので、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
司法書士法人ミラシア・行政書士事務所ミラシア 代表
株式会社ミラシアコンサルティング 代表取締役
生前対策実務家倶楽部ミラシア 代表
千葉商科大学 特別講師
一般社団法人OSDよりそいネットワーク 理事
日本弔い委任協会 理事
相続、遺言、後見、家族信託などが専門。終活・相続関連の相談実績は累計1,000件を超える。
豊富な経験・事例を基に、“オーダーメイド”の終活・相続対策サービスを展開している。
【保有資格】
司法書士・行政書士・宅地建物取引士・AFP
【メディア実績】
フジテレビ「とくダネ!」、産経新聞、東京新聞、毎日新聞、夕刊フジ、ハルメク、週刊朝日、サンデー毎日、他多数